「小沢健二:シンガーソングライター」
ぼくらが旅に出る理由
作詞作曲 小沢健二
心がわりは何かのせい?
あんまり乗り気じゃなかったのに
東京タワーから続いてく道
君は完全にはしゃいでるのさ
遠くまで旅する恋人に
あふれる幸せを祈るよ
ぼくらの住むこの世界では
太陽がいつものぼり
喜びと悲しみが時に訪ねる
遠くから届く宇宙の光
街中でつづいてく暮らし
ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる
流動体について
作詞作曲 小沢健二
羽田沖 街の灯が揺れる
東京に着くことが告げられると
甘美な曲が流れ 僕たちはしばし窓の外を見る
もしも間違いに気がつくことがなかったのなら?
並行する世界の僕は どこらへんで暮らしてるのかな
広げた地下鉄の地図を隅まで見てみるけど
神の手の中にあるのなら その時々にできることは
宇宙の中で良いことを決意するくらい
雨上がり 高速を降りる
港区の日曜の夜は静か
君の部屋の下通る 映画的 詩的に 感情が振り子振る
もしも間違いに気がつくことがなかったのなら?
並行する世界の毎日 子どもたちも違う子たちか?
ほの甘いカルピスの味が不思議を問いかける
だけど意味は言葉を変え 言葉は都市を変えてゆく
躍動する流動体 数学的 美的に炸裂する蜃気楼
彗星のように昇り 起きている君の部屋までも届く
それが夜の芝生の上に 舞い降りる時に
誓いは消えかけてはないか?深い愛を抱けているか?
ほの甘いカルピスの味が 現状を問いかける
そして意味は言葉を変え 言葉は都市を変えてゆく
躍動する流動体 文学的 素敵に炸裂する蜃気楼
それが夜の芝生の上に 舞い降りる時に
無限の海は広く深く でもそれほどの怖さはない
人気のない路地に 確かな約束が見えるよ
神の手の中にあるのなら その時々にできることは
宇宙の中で良いことを決意するくらいだろう
無限の海は広く深く でもそれほどの怖さはない
宇宙の中で良いことを決意する時に