リカ:ただいま。カンチ。
完治:なんだよ。出張へ行くんだったら行くって一言言えな。
リカ:何で、部長でもない。あんなにいちいち言わなきゃいけないのよ。
完治:あ、そうかよ、そうかよ。何でせっかく心配しちゃったのに。
リカ:うーん。心配してたんだ。
完治:だ、だから、ほらあの、胸騒ぎ(むなさわぎ)するの。
リカ:病院行った方がいいんじゃない。
完治:心臓病じゃないよ。ああ、ちょっと、もしもし。
リカ:はい、もしもし。
完治:あ、例のあのテニシューズの件うまくいった。
リカ:あ、そう。
完治:君のお陰。
リカ:完治世渡り(よわたり)下手だからさ。あたしがなんとかしてあげなくちゃさ。
完治:お前に言われたくないのよ。
リカ:そう。ほら、ぶかぶか~
完治:うそばっかり。お前がそれ持ってる限り、忘れるなんてできないじゃないかよ。
リカ:だって、今ならまだ、好きって言った時と同じ気持ちでさよなら言えるんだよ。
そんなに私のこと好きなんだ。うーん、知らなかったな。あ、そう。
けどね、あたしの気持ちってものもあるし、そう簡単には両思い言わないんだよ。
完治:頑張る。
リカ:夜中に寂しい時、飛んできてくれる?
完治:飛んでいく。
リカ:ヒマラヤのてっぺんから電話したら迎えに来てくれる?
完治:迎えに行く!
リカ:暖かいおでん持ってきてくれる?
完治:屋台ごと持って行く!
リカ:ビートルズのコンサート、うちで開きたいって言ったら?
完治:連れてくる!
リカ:ジョンはどうするの?
完治:俺が代わりに歌う!
リカ:魔法を使ってこの空に虹かけてって言ったら?
完治:それはできないかもしんないけど・・・。
リカ:じゃ、だめだ。
完治:でも、魔法だったら使える。
リカ:どんな?
KISS。