【朗读会展示】不思議工房-6——NJ:そよ風+Ouei+扣扣
初声朗读会是初声日语自发组织的朗读活动,在初声,我们两耳不闻窗外事,一心只读圣贤书。这里是为学习而生的初声日语。我们娱乐中学日语,偶尔搅基,我们最终的目标,是让大家在这里有所收获,更开心地学好日语,仅此而已。
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本期展示:朗读会之系列朗读【ふしぎ工房症候群】
组长:初声日语教学部そよ風
朗读者:そよ風+Ouei+扣扣
封筒には請求書と書かれていた。「請求書?」
そうか。世の中何かにつけ、お金が必要だもんな。今回は人を紹介してもらうわけだし。そう思いながら、請求書の封を切ろうとすると、老人の手がそれを制した。「お代は後払いの成功報酬となっております。後ほど、ゆっくりとお確かめください」
「はい」
成功報酬という言葉に、なんだか奇妙な違和感を覚えたが、僕は封を切ろうとした手を止め、それを注文書の控えと一緒に上着の内ポケットに仕舞い込んだ。
よくよく考えれば、成功の暁には僕はこの世から消えてなくなる。すると、代金を支払いなくなるわけだが。
「さ、どうぞ。」
ぼんやりと考えている僕を促すように、老人は出口の引き戸を指し示した。
「でも、まだ紹介が。」「ご心配には及びません。その方はもう外で貴方をお待ちしております。」
不思議工房を出ると、その人物は一目で分かった。目の前の電柱に背中からもたれ掛かって俯いている。見るからに、世の中から消えてしまいそうなタイプだ。僕と同じ匂いがする。手には注文書の控えらしき紙を握っていた。
「あ~、彼もまた。」
僕がすぐさま親近感を覚えた。背格好からして僕と同じくらいの年齢だ。すると、彼もこちらに気付き、軽く会釈を送って起した。
「君だね。」
彼はそう言って、ゆっくりと近付いてきた。
「うん。」
僕もそれに答えるように、彼に歩み寄った。
近付いてみると、前髪を長く伸ばして、僕よりは少し線の細い印象を受ける顔立ちをしていた。そのほかは普通の男性と変わらない。まだ会ったばかりだというのに、もう十分お互いのことが分かる気がする。言葉はいらない。交わす必要もない。そう思える。初めて理解し合える友達を見つけたような気分になった。僕達はそのまま並んで歩き始めた。
暫くして、彼がぽつりと言った。
「場所、決まっている?」
「うん。」
僕は例のビルについて事細かに説明した。彼は相槌を打ちながら、それはいい所を見つけたねと、はにかむように笑って言ったあと、確認するように尋ねてきた。
「遺書は書いた?」
「うん、書いた。」
「そうだね。事故だと思われたら、捜査だとか余計な面倒を人にかけることになるものね。PCとか、人に見られたくないデータは消した?」
「あ、それはしてない。」
「そう。僕ね、死んだ後まで、人に感傷されたくないんだ。携帯メールや登録カードも全部消したし。」