五日目
またも羊のおかげで
王子さまの人生のもう一つの秘密が明かされた
いきなり何の前触れもなく
王子さまは僕に聞いてきた
ずっと黙って考えていた問題が
ようやく答えを見出したように
「羊って 小さな木を食べるなら
花も食べるんじゃないかな」
「羊は見つけた物は何でも食べるよ」
「刺のある花でも」
「そう 刺のある花でもね」
「だったら 刺って 何のためにあるの」
「そんなことは知らない」
その時僕は
エンジンに固く食い込んだボルトを外すのに
必死になっていた
故障は極めて深刻だった
飲み水も底を尽きかけていたし
最悪な事態に怯えていた