介绍:
雨の言葉 ー立原道造ー わたしがすこし冷えているのは 糠雨(ぬかあめ)のなかにたったひとりで 歩きまわっていたせいだ わたしの掌(て)は 額(ひたい)は 湿ったまま いつかしらわたしは暗くなり ここにこうして凭(もた)れていると あかりのつくのが待たれます そとはまだ音もないかすかな雨が 人のいない川の上に 屋根に 人の傘の上に 降りつづけ あれはいつまでもさまよいつづけ やがてけぶる霧(きり)にかわります…… 知らなかったし望みもしなかった 一日のことをわたしに教えながら 静かさのことを 熱い昼間のことを 雨のかすかなつぶやきは こうして 不意にいろいろかわります わたしはそれを聞きながら いつかいつものように眠ります 
上一期: 3月9日
下一期: 秋の夜空