半沢直樹14
半沢:助かったよ、近藤。お前がいなかったら、金庫室を開けることはできなかった。
近藤:いや、礼を言うのは俺の方だ。融資の件…
半沢:古里!もう一つお前に言っておく。田宮電機への融資の稟議、書き渋っているそうだな。
古里:あれはその、必要な資料が…
半沢:確かに中期企画書は田宮社長のビジョンが見えないところもある。だが、それを差し引いても現実的なしっかりした稟議書だった。どこがダメなんだ。言ってみろ。
古里:それは、その…支店長が金融庁検査の前に、簡単に融資は通すなど…
半沢:全部他人のせいが!お前みたいなやつに与信判断する資格はない。明日中に書け!いいな。
近藤:やっぱりお前はすごいよ。昔と少しも変わってない。お前と一緒にいると、俺も昔の自分に戻れるような気がしてくる。
半沢:お前だって、変わってないよ。田宮電機のために一生懸命戦ってるじゃないか。肩書や居場所は違っていても、お前はお前だ。だろう?
半沢:戸越さん、ありがとうございました。あなたの協力のおかげで、どんな不正が行われたか分かってきました。
戸越:礼を言われることじゃない。もっともっと古里をギャフンと言わせたかったのは俺も一緒だ。それに、また伊勢島ホテルへ戻れることになったからな。
半沢:そうですか。よかったですね。
戸越:あんたが頼んでくれたんだろう?湯浅社長に。
半沢:もう一つお願いしたいことが…御社の社員だった戸越さんのことです。
戸越:湯浅社長から直々に電話があって、謝罪されたよ。あんたから事情を聞いたとね。
半沢:私はただ本当のことをお伝えしただけです。
戸越:正直東京中央銀行に対する不信感は拭えない。だが、線は細いが、イノシシみたいなあんたが担当になったことが唯一の望みだ。伊勢島ホテルを救ってください。頼みます。
半沢:バンカーとして、全力を尽くします。
戸越:例の報告書誰のサインが書いてあった?
半沢:貝瀬支店長ですが。
戸越:こんなこと言ったら、せっかくのあんたらの努力を無駄にしまうことかもしれないが、歴代京橋支店長と伊勢島ホテルの関係は黒い闇だ。
半沢:歴代の支店長?
戸越:貝瀬はその闇の入り口に過ぎない。蜥蜴の尻尾だ。むしろ、もっとうえの…