愛情いっぱい、おせっかいで人気店
「伊藤アナ こんばんは。いっぱい野菜食べてる?食べなくちゃ駄目よ。いっぱい食べさせてあげるから。いらっしゃい。」
男:おせっかいな
女:今日かですね
男:随分おせっかいなあ
女:素敵なおせっかいをしてくれるお店の特集です。
なんともおせっかいな店があるということで、まず向かったのは静岡県の下田市。すると…
「ああ ここですね。とんかつ一。手書きの豚の絵が描かれてます。」
ここは創業48年の老舗とんかつ一。それでは入ってみましょう。
「男:こんにちは。ああ こんにちは。
大将:初めてですか?」
こちらがお店の大将小川直明さん、74歳。店内にはとんかつ1150円を初め、メニューがいっぱい。その数、30種類以上。どれを食べるか悩んじゃいます。ところが…
「大将:じゃあ、ミックスで騙されてください。」
なんとこの店、初めてのお客はミックス定食しか頼めないんです。値段は1350円と少々高め。この先どんなおせっかいが待っているのか、早速体験。テレビの前の皆さんもお客さんになったつもりでご覧ください。まず出されたのは、お味噌。続いて…
「男:カレー カレー カレー カレー
大将:カレーもサービスになりますから。はい。どうぞ!
男:カレーとカレーライスある?ある。
大将:あるけど昔からカレーはサービスになってるもんで。」
なんとカレーはカレーで、メニューにあるにもかかわらず、なぜか無料サービス。そして…
「大将:お待ち遠様。はい どうぞ
男:はい。多い。」
これぞ、とんかつ「一」のミックス定食。右から唐揚げ、カニコロッケ、ヒレカツ、メンチカツと4種類の揚げ物がのっています。さらに、大盛りキャベツとスパゲティまでついて、ボリューム満点です。国産豚のヒレカツを食べてみると…
「男:うん うまい。
大将:大丈夫ですか?
男:美味しい
大将:ありがとうございます。
男:柔らかい、それ、意外と脂っこくないですね。」
すると大将、突然、冷蔵庫を開け始めました。
「大将:キャベツ少しやるからね。」
ええ、まさか…豪快にキャベツをドカッ!しかもスパゲティまで。いやいや、まだありますから。そう、この店は頼んでもないのに、大将が勝手に料理を追加してしまうんです。ドカッ…
「大将:おせっかいのうちに入るんじゃないですか。これがね〜食いたくなくてもこういう(入れる)。」
果たして、この対応は別のお客さんに対しても同じなのか?気になる。様子を見てみると…
「大将:初めてですか?
お客さん:はい。
大将:じゃあ、ミックス定食でお願いします。」
ああ やっぱりミックス定食… 続いても…
「大将:初めてですか?じゃあ、まずいからミックスでお願いします。
お客さん:アハハハハ アハハハハ」
休日のお昼時は、ロコミで知った観光客がどんどんやってきます。
「大将:初めて?
お客さん:はい。
大将:じゃあ、ミックスでお願いします。」
こちらは10代の女子大生4人組。初めてなので、もちろん4人ともミックス定食。ちなみに女性客にはエビフライがつきます。そこへ、大将スパゲティ、持ってきた!
「大将:はい はい。キャベツやろうかな。
学生達:キャベツじゃない。
大将:スパゲティ。はい いいよ キャベツやろうか
学生達:やばい。
これ無限…
食べられないよ。
びっくりした。
お店でこんなのされたの初めて。
無理矢理感。」
そして食べ終わるとこんなジョークのおまけ付き。
「大将:あっ あっ すみません 彼女 お皿ここまであげてくれる?こま使う店でごめんね。すみません。こんな店二度と来ないほうがいいよ。」
こちらは神奈川からやってきたという家族。お父さんが注文したのは巨大なハンバーグ。2回目以降はミックス定食以外も頼めるんですね。しかし、奥さん達は初めてなので、もちろんミックス定食。
「大将:スパゲティきたよ。これやんなきゃな
長女:キャー
大将:お姉ちゃんちぃ〜とやるね。
母親:大丈夫です。
長男:キャベツはいいや。
大将:お母さんに後でやっててね。
長女:多い。いや」
すると、お母さんに何やら渡しています。ええ
たく餡じゃないですか。しかも手渡し。
「40母親:手でもらった。手でもらった。面白いお父さんですね。
長女:キャベツが多くてちょっと食べられない。」
でも、安心してください。食べられない分はお持ち帰りはOKです。さらに、大将にはこんな技も。画面右の男性がお水をくもうと席を立つと何気なく忍び寄りスパゲティを追加。お客さんが戻ると同時に、席を離れて知らん顏。席に戻ったお客さん。さて、気付きましたか?
「お客さん:ああ なんか違いますね。今気が付きましたね。食べる側も結構楽しんでます。」
このおせっかいを48年も続けている大将。野菜が高騰する中でも、消費税3%の時から、値段を変えていません。
「Q:キャベツの切り方にもこだわりない?
大将:それはない。それはない。硬いから細く切れば、食べやすいからね。そんなこだわりなんか、俺は絶対ないよ。」
それにしても大将なぜ、これほどのおせっかいを続けるんですか?
「大将:おせっかいするおかげで、自分の気持ちがこうスッキリする。ああ やりてぇのに、なんでできねえのかあ。なんでできねえのかあっていう引け目がずっと尾を引いてね。だからおせっかいやりますよね。どんどん難しいけど。お客さんに何しろ喜んでもらえるのが一番ですからね。」