仕事ができる人の「デスクトップ」は美しい

仕事ができる人の「デスクトップ」は美しい

2016-01-07    13'05''

主播: 索谓

20696 1175

介绍:
主要文本: ◆著者プロフィール この本の監修を務めたのは、特定非営利活動法人 日本タイムマネジメント普及協会。 ビジネスパーソンのマネジメントスキルの向上とノウハウの普及、組織の活性化を目的として、コンサルタントや大学教授、プランナーなどが集まり、2002年に設立された団体だそうです。 一般的に「タイムマネジメント」という言葉は「時間管理」と認識されていますが、この日本タイムマネジメント普及協会では、「タイムマネジメント」を「仕事を効果的・効率的に進めるための技術」と捉えて、「やる気」「ビジネスコミュニケーション」「ナレッジマネジメント」など、幅広いスキルの開発をしており、公開セミナーや出版活動を通して世に広めています。 こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。 今回ご紹介する本書の内容ですが、まずこの本がユニークな点は「デスクトップ」をテーマにしていること! 本書で紹介される29の知識と技術も、よくある「マナー」や「話し方」「特殊なツールの使い方」ではなく、デスクトップ周りと汎用ソフトを活用したものになっています。 ちなみに、本書で語られる「デスクトップ」というのは、単なるパソコンの画面ではなく、そこに格納されているファイルやアプリケーションも含む、パソコン全体のこと。 ここを綺麗に整理できているかどうかで、あなたが「頭が良い人の仕事」をしているか、「イマイチな」仕事をしているか、「残念な」仕事をしているか、分かれてしまうんだそうですよ!?怖いですね。 とはいえ、「デスクトップ周り」と「汎用ソフトの使い方」くらい分かってるよ!という人も多いでしょう。 そこで、本書では冒頭にチェックリストがあります。 ここを実際にやってみると……意外と「頭が良い人の仕事」ができていないことが分かりますよ。 いくつか抜粋してご紹介しましょう。 「はい」か「いいえ」か「どちらとも言えない」で答えて下さいね。 まずはデスクトップについて、 『ファイル名の名づけルールはあるか?』 『モチベーションをコントロールしているか?』 次にスケジュールについて   『「デスクワーク」を予定しているか?』   『仕事の「はじめ」と「おわり」を意識しているか?』 次は汎用ソフトについて 『ワードでスキルアップできているか?』 『ネットの情報が集まるようにしているか?』 こんな感じで、全29問のチェックリストがあります。 87点満点のリストなのですが、僕は……52点でした。 みなさんも本書をお手に取った際に、試してみてください。 「え?なにそれ?どうやるの?」っていう質問がきっとあると思いますよ! さて、僕の読んだ感想として本書の目指すゴールは「頭が良い人の仕事のやり方を29項目紹介し、そのどれか一つでも身につけて、より効果的、効率的な仕事の進め方をマスターすること」です。 具体的には、フォルダ・ファイルなどの整理の仕方、そのルールの作り方と、それを支える論理思考力、これらが第1章の全5項目で学べます。 次にスケジュールの管理の仕方と、タスクの優先順位のつけ方、デスクトップ上でのスケジュール管理のやり方、これらが第2章の全6項目で学べます。 メールの書き方、活用方法、整理方法などが、第3章の全5項目で、ワードやエクセル、パワーポイントなど、汎用ソフトの一歩進んだ使い方が第4章の全8項目、 SNSの効果的な使い分けの仕方、ちょっとしたコツなどが第5章全5項目で学べるようになっています。 イメージして頂くと分かるように、基本的にはデスクトップ、と言いますか、デスクワークの効果的、効率的なノウハウを教えてくれる一冊になっていますね。 こういった本は、よくビジネススキルを磨く本と言われる事がありますが、皆さんはビジネススキルをどこで学んできたでしょうか? 新人の頃は先輩社員が教えてくれたかもしれません。 でも、できる人のビジネススキルとなると、中々教えてもらえないのが現実だと思います。 本書でなるほど!と思ったのがここ。 「頭が良い人はOJTでスキルアップしている」というお話。 つまり、日々の仕事の中で、工夫し、学び、生産性を向上していかなければならないのですね。 ですので、本書を読む上でのコツは、ただ学び、真似をするだけでなく、何故そういうやり方をするのか、またその根底となる「仕事に対する考え方」も一緒に読み取っていくことだと思います。 実際に、本書の解説には多くの示唆が含まれていますので、単なるノウハウ本として流し読みしてしまうのは勿体無いですよ! では、ここからは具体的に本書の内容をピックアップしつつ紹介していきましょう。 本書の第1章「デスクトップを整えて仕事に向き合う」より。 実は、デスクトップを綺麗にするということは、それだけ仕事にアドバンテージがある状態なんです。 それはなぜかというと、汚いデスクトップだと「探し物に時間が掛かってしまう」から。 ある文具メーカーの調査によれば、平均的なビジネスマンは年間150時間を探し物に費やしているのだそうです! 年間の労働時間の10%弱といったところでしょうか。 これは非常に勿体無いですし、そこに危機感を持つ事が大切ですね。 具体的なデスクトップの整理方法は、ぜひ本書をお読み下さい。 次に本書の第2章「スケジューリングで仕事もぐんぐん進む」から、僕がなるほど!と思ったポイントをご紹介します。 それは……デスクワークもスケジュールに組み込む、ということ。 これは出来てない人多いのではないでしょうか? 僕もできてませんでした。 「人に会う予定」や「会議の予定」など、誰かと共同で行う仕事はスケジュールに組み込むのに、自分ひとりで行う仕事は厳密にスケジューリングしていない人が多いと思います。 しかし、本書は「あとで、自分がやる仕事」をキチンとスケジューリングすることが一番大事だと語ります! それはなぜか? 余裕を持ってスケジューリングすることで、締め切りに追われることなく、その仕事の質を求め、自己のスキルアップが望めるからなんです! 例えば、メールの雛形を作成したり、より詳細な分析を試したり、プレゼンの表現方法にひと手間加えたりと、時間に余裕を持てればやれる事は広がりますよね。 なので、「デスクワークもスケジュールに組み込む」こと、とりわけ「あとで、自分がやる仕事」をキチンとスケジューリングすることが大事なのだそうです。 そして最後に紹介したいのが、本書の第4章に書かれている汎用ソフトの使い方。 ワード、エクセル、パワーポイント、Webブラウザなど、誰でも触った事のあるソフトのお話ですが……ちょっと厳しい書かれ方をしています。 例えば、ワードで文章を作成する。 エクセルにデータを打ち込み計算する。 パワーポイントで見栄えの良い資料をつくる。 ブラウザのキーワード検索で情報を収集する。 こういう一般的な業務は……できて当たり前なんです!! もう今の時代、汎用ソフトが使えるというのはビジネスパーソンの当然の嗜み。 そこから一歩抜きん出るためには、一歩すすんだ使い方をしなければなりません! 例えば、エクセルを使って自分や自分の部署の生産性を調査するなど、頭と手の両方を使った「頭の良い」仕事をしなければいけません。 みなさんが普段お使いの汎用ソフトを、どのように使ったら「頭が良い人」の仕事になるのか? それは、是非本書を読んで、みなさん自身で考えてみてください! では、まとめに入りましょう。 本書は、新入社員から、デスクワークの苦手なベテランまで、幅広いビジネスパーソンに読んで頂きたい一冊です。 パッと見て、当たり前のようでいて、意外と普段の仕事でできていないノウハウが多く書かれている印象でした。 デスクトップの整理方法などはまさにその象徴ですね。 フォルダ分け、各ファイルの命名規則、配置など。 「言われれば分かるし、効率が良い事は分かるんだけど……あ、自分できてない!?」 という知識、技術が満載の本になっています。 普段、デスクワークに比重を置いていないビジネスパーソンの皆さん、この本で、自分の仕事のやり方、考え方を見直してみてはいかがでしょうか?