◆著者プロフィール
吉田章美さん。
1949年大阪生まれ、28歳の時、弁護士の夫と結婚。
ちなみに、結婚前は銀行員や小学校の教員をされていたそうです。
その後、夫の法律事務所を手伝い、
現在は、同事務所の支配人を務めています。
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
まず、一読した感想を率直に申し上げると「優しい!」これですね。
これには3つの意味がありまして、1つ、説明がやさしい。
法律のことや、弁護士について全く知らない人にも、平易な言葉で説明をされていて、ちょっと専門的な用語が出てくると、必ずその用語についての解説もセットでされています。
2つ目、理念が優しい。
吉田さんは本書の冒頭でこのようなことを述べています。
「弁護士とは困っている人を法律の力で守ってくれる人」
吉田さん自身は、弁護士資格はお持ちでないのですが、法律事務所を切り盛りしていく上で、どうすればこの人を助けられるか? 悩みを解決してあげられるか? を常に考えているのだなぁ、という理念が感じられました。
3つ目、文体がやさしい。
女性的な丁寧な語り口。
さらに、トラブルを抱えた人の表情だとか、それが解決したときのスッキリした様子など、「人間」を観ているなぁという文章が、良い意味で印象に残りました。
先の2つと併せて、「読者」と「依頼人」の両方に対して、母性が発揮されているような文章でしたね。
そんな優しいこの一冊。
内容としては、弁護士に相談するとはどういうことか? どういう悩みが解決できるのか? 相談するメリットは何か? 相談しないデメリットは何か?
といったことを、豊富な事例とともに教えてくれる本になっています。
タイトルの「頼る力」に現れているように、「トラブルに悩んでいたら、遠慮せず、いつでも私達を頼って来てくださいね」という著者のメッセージが感じられ、知識としては「あ、なるほど、人間関係とか金銭関係のトラブルって、こういう風にも解決できるんだ」という事がよく分かります。
長い人生何があるか分かりませんので、いざという時に、弁護士さんにすぐ相談できるような準備・心構えを教えてくれる本です。
僕自身、まだ弁護士に相談にいくという経験をしたことがないので、いざという時のために、この本を読んでおいて良かったなぁという気がしています。
さて、今回は著者の吉田さんに直接お話を伺いましたので、ぜひ本編をお聴きください。