瑠可
元気ですか?
私は一人で、なんとかやっています。
ずっと一人だったから、寂しくはありません。
あなたの目の前から私が姿を消すのは、
これで二度目ですね。
一度は、高校のとき、母に連れられて。
そして、二度目は今度。
もう会えないんだね。瑠可。
でもしょうがない。
あなたを裏切った、それが報いだと思うから。
あの頃、私は、あなたのことを何も知らなかった。
あなたの夢。
あなたの悩み。
あなたが心の中に秘めていた、思い。
空が青いよ。
瑠可
そっちの空はどう?
人が人を知るって、本当に難しい。
今も思うの。
もしも私に、人の心を知る能力があったら、
せめてそのことにもっと一生懸命だったら、
あの恐ろしい出来事を、
あの死を、防ぐことが出来たんだろうかって。
でもね、瑠可。
あなた達は確かに私の側にいた。
例えもう二度と会えないとしても、
私は、今もあなた達に支えられてる。