台词:Tome館長
朗诵:白ノ助
正文:
大きな家に、かわいらしい坊やがいた。
ある日、ひとり土蔵で遊んでいたら
鬼の面を見つけた。
鬼の面があるという話は聞いていた。
家宝として秘蔵されている、と。
これをかぶると人の心が読める、と。
さっそく鬼の面をかぶるや、坊やは
そのまま家を出て、近所を歩きまわった。
人の心がおもしろいように読める。
鬼の面に驚く人などいなかった。
かぶっていても誰も気づかないのだ。
坊やの心に大人の心が入ってきた。
家に帰っても面をはずさなかった。
おもしろくてはずせなかったのだ。
そして、坊やは知ってしまった。
坊やが知ってはいけなかったことを。
坊やの顔を見て、母親が悲鳴をあげた。
驚いて、坊やは走って逃げた。
鬼の面をはずすと、鏡の前に立った。
夕陽が坊やの顔を赤く照らす。
坊やの顔は鬼になっていた。
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鬼(おに) 面(めん) 坊(ぼう)や 土蔵(どぞう)
家宝(かほう) 秘蔵(ひぞう) 驚(おどろ)く
大人(おとな) 悲鳴(ひめい) 夕陽(ゆうひ) 照(て)ら