これは第二次世界大戦【たいせん】が終わる【おわる】、ちょっと前まで、実際【じっさい】に東京にあった小学校【しょうがっこう】と、そこに、ほんとうに通【かよ】っていた女の子のことを書いたお話です。
窓【まど】ぎわのトットちゃん 新しい学校の門をくぐる前に、トットちゃんのママがなぜ不安なのかを説明すると、それはトットちゃんが、小学校一年生なのにかかわらず、すでに学校を退学【たいがく】になったからだった。一年生で!!
つい先週【せんしゅう】のことだった。ママはトットちゃんの担任【たんにん】の先生に呼【よ】ばれて、はっきり、こういわれた。
「おたくのお嬢さんがいると、クラス中の迷惑【めいわく】になります。よその学校にお連れ【づれ】ください!」 若くて美しい女の先生は、ため息をつきながら、くり返した。
「本当に困ってるんです!」
ママはびっくりした。(一体、どんなことを……。クラス中の迷惑になる、どんなことをあの子がするんだろうか……) 先生はカールしたまつ毛【け】をパチパチさせ、パーマのかかった短い内巻【うちまき】の毛を手でなでながら説明【せつめい】にとりかかった。