嗓子实在痛,放弃挣扎就这样吧
文本:なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。表には左り日ケ窪、右と堀田原ある。闇だのに赤い字が明かに見えた。赤い字は井守の腹のような色であった。 「左が好いだろう」と小僧が命令した。左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空から自分らの頭の上へげかけていた。自分はちょっと躊躇した。 「遠慮しないでもいい」と小僧がまた云った。自分は仕方なしに森の方へ歩き出した。腹の中では、よく盲目のくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「どうも盲目は不自由でいけないね」と云った。 「だから負ぶってやるからいいじゃないか」 「負ぶって貰ってすまないが、どうも人に馬鹿にされていけない。親にまで馬鹿にされるからいけない」 何だか厭になった。早く森へ行って捨ててしまおうと思って急いだ。 「もう少し行くと解る。――ちょうどこんな晩だったな」と背中で独言のように云っている。 「何が」と際どい声を出して聞いた。 「何がって、知ってるじゃないか」と子供は嘲けるように答えた。すると何だか知ってるような気がし出した。けれども判然とは分らない。ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分るように思える。分っては大変だから、分らないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。自分はますます足を早めた。