《求婚大作战》吉田礼 独白
私のそばには.いつも岩瀬健がいた。私の思い出には必ず.健の姿があった。健の優しさはいつもどこか寄り道をして、ちょっとだけ遅れて私に届く。今なら気づけるその不器用な優しさに、あの頃の私は.なかなか素直になれなかった。嬉しのに嬉しいと言えない自分が、いつももどかしかった。傷つくのが怖くて、最後まで勇気を持てなっかたのは、私だった。健の優しさを信じきることができず、諦めてしまったのは、私だった。もう振り返らないって決めて、一方的に目を塞い(ふさい)でしまったのは、私だった。健は.いつも本気で投げ続けていた。受け止めきれなかったのは私だった。
Bgm:明日晴れるかな.桑田佳祐