【朗读会展示】不思議工房-4——NJ:そよ風+木豆
初声朗读会是初声日语自发组织的朗读活动,在初声,我们两耳不闻窗外事,一心只读圣贤书。这里是为学习而生的初声日语。我们娱乐中学日语,偶尔搅基,我们最终的目标,是让大家在这里有所收获,更开心地学好日语,仅此而已。
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本期展示:朗读会之系列朗读【ふしぎ工房症候群】
组长:初声日语教学部そよ風
朗读者:そよ風+组员木豆
僕はゆっくりと腰を上げると歩き出した。場所は下見してある。ただ、時間が早すぎる。皆が寝静まり、人通りのなくなった時間に、あのビルの屋上から飛び降りるんだ。僕にだって常識はある。人を巻き込むことだけは避けるつもりだ。ただ、時間が早すぎる。当てもなく歩いた。今度は、風景が僕を通り過ぎていく。後ろ後ろへと。
「あと3時間。」
誰に言うともなく、ポツリとつぶやいてみた。これから自分は楽になれるはずなのに、世の中から解放されるはずなのに、自然と涙が頬を伝った。孤独な自分に同情している自分がいる。それがまた悲しくて一層涙が出た。あまりに自分が可哀相な気がして堪らなくなった。
「もうじきそれも終わるさ。」
自分を元気づけるように言って、手で涙を拭った。視界がぼやけていると、歩くことにも不自由する。しっかりと前を見据えたところで、自分が見知らぬ路地にいることにふと気づいた。
「あれ、道に迷った。」
しんと静まり返った住宅街、いつもの見慣れた風景とは違うこの場所に、いつの間にか、紛れ込んでしまたらしい。だが、大丈夫。まだ時間はある。急き立てられるように、時間の経過に気を使うことは、もうしなくていいんだ。
そう自分に言い聞かせていると、足元で猫の鳴く声がした。小さな黒猫だった。妙に懐いて僕の足に纏わり付いてくる。少し愛しくなった。人間もこのくらい素直だったらなあ。しゃがんでその猫の頭を撫でようとしたら、黒猫はさっと身を引き、目の前の木戸の僅かな隙間に逃げ込んでしまった。
「チェっ」
どうせ猫にさえも嫌われるんだ。そう思って立ち上がろうとしたら、目の前に奇妙な看板が飛び込んできた。
戸板に筆で殴り書いたような文字で、「不思議工房」と書かれてある。なんだかとても気になった。その文字を見つめていると、心が落ち着くというか、穏やかな気持ちになってくる。こんな気分になるなんて、もしかして初めてのことか?その看板に目を奪われていると、今度は黒猫が激しく鳴いた。何かこの世にとてつもなく未練を残すような思いに囚われて、思わずその引き戸に手をかけた。気付くと、僕はその引き戸の内側にいて、そこではっと我に返った。