Essay
Before saying 'I do' (p. 6)
「誓います」と言う前に
婚約者と私は10月に結婚する。幸い、面倒なことは最小限にしたシンプルな結婚式をどちらも望んでいる。しかし残念ながら、それでも希望より多くの面倒なことをしなければならないことがいくつかある。
最も重大なことは、結婚式を司ってもらう人を見つけることだった。シンガポールでは、一番シンプルな方法は結婚登録所(ROM)の事務所で儀式を行なうことだ。希望日に時間枠を予約して、ROMに行くだけでいい。そこで式を執り行なう人は、身元の証明、必要書類、双方が自由意志による結婚をすることの確認を手助けし、最後に夫婦が夫と妻であることを宣言する。
しかし、この選択肢は平日にしか使うことができず、私たちの結婚式の日は日曜日だ。他の選択肢は、結婚式をレストランかホテル、宗教的な場所で行ない、例えば、治安判事や地域のリーダー、宗教上の指導者など、免許を持つ結婚式執行人をROMが提供するオンラインのリストから選んで呼ぶことだ。
これは時間を取られる非効率な行程の始まりだった。
結婚式執行人が載った長いリストに目を通し、そのうちの1人に予定が空いているかどうかを尋ねるメールを出した。数日後、空いていないという返事が来た。2人目、3人目、4人目、5人目…と進んでいき、私たちの求めを断る人もいれば、全く返事をしない人もいた。
同僚の1人も似たような経験をしている。結婚式まであと1カ月を切って、30人以上の結婚式執行人に向けて大量のEメールを送ることとなり、ようやく1人を押さえた。婚約者と私は大量のEメールを送ることは不誠実なように思えるので控えたが、同僚が言うように切羽詰っているときには切羽詰まった方法を取るしかない。
またしても断わりの連絡を受けとり、私は婚約者に「どうしてROMは結婚式執行人を稼働可能かどうかに基づいて1人割り当てることができないのかな? 夫婦がたくさんの時間をかけてメールを結婚式執行人に送らなくても済んで、結婚式執行人は大量の依頼に対処しなくても済むように、オンライン予約システムを立ち上げることはきっとできるはず」と言った。
彼の世慣れした返事はこうだった:「たぶん、自分たちの結婚式を執り行う人を決める上で発言権を持ちたいカップルもいるからじゃないかな。宗教上の指導者を好む人もいれば、関連性を感じられる誰かがいい人もいるかもしれない」。
彼の言うことは正しかった。インターネットで推薦された結婚式執行人のリストとレビューを見つけた。どうやら、人気の結婚式執行人は何カ月も先まで予約でいっぱいのようだ。結婚式執行人のユーモアのセンスと癖について詳細なコメントまで書いている人もいた。
いずれにしても、ついに私たちは友人を介して結婚式執行人を見つけることができた。友人は草の根のリーダーと偶然知り合いだった。to-doリストの大きなタスクに一つ済の印を付けることができ、今は次のタスクにとりかかっている:結婚指輪だ…。