日本の昔话 6——キツネとタニシ

日本の昔话 6——キツネとタニシ

2016-04-04    04'37''

主播: Jennykaede

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介绍:
むかしむかし、足の速いのがじまんのキツネがいました。  あるとき、このキツネがタニシにいいました。 「ちょっと都(みやこ)まで、いってきたんじゃ」  キツネは足のおそいタニシを、いつもバカにしています。 「都までは遠いから、足のおそいタニシなんかには、ぜったいにいけんところじゃな」  タニシはキツネがじまんばかりしているので、ちょっとからかってやろうと思いました。 「キツネさん、そんなに足が速いのなら、わたしと都まで競走(きょうそう)しませんか?」 「ギャハハハハハハー! タニシがどうやって、あんな遠くまでいけるんじゃい」 「キツネさんにいけるなら、わたしにだっていけます。だいたいキツネさんは、わたしよりはやく歩けるのですか?」 「なに! わしのほうが速いにきまっとる!」  はじめはバカにしていたキツネも、だんだんおこってきました。 「よーし、そんなにいうのなら、わしとどっちが早く都へつくか、競走じゃ!」  こうして、キツネとタニシの競走がはじまりました。 「よーい、ドン!」  キツネは、ドンドン歩きはじめました。  ふりかえってみると、タニシはもう見えません。 「まったく、わしが勝つにきまっているのに。ほら、もう見えなくなっちまった。バカバカしい」  キツネはバカらしくなって、ちょいとひと休みです。  すると、タニシの声がしました。 「おや? もう疲れたのかい、キツネさん。それではお先にいきますよ」  キツネはビックリ。  遠くヘおいてきたと思ったタニシが、すぐそばにいるではありませんか。 「おかしい。おいつかれるはずは、ないんじゃが・・・」  キツネはふしぎに思いながらも、また歩きはじめました。  そのうちに、山に夕日がしずみはじめました。  キツネはまたまた、バカバカしくなってきました。 「タニシなんかと早歩き競走したって、なんにもならんわ。わしが勝つにきまってるんだから。それに、本当のこというと、都なんかいったこともないし。・・・だいぶ遠いんじゃろな」  キツネは立ち止まって、おしっこをしようとしました。  すると目の前に、タニシがいます。 「キツネさん、早くしないとおくれますよ。わたしについておいで」 「そんなバカな!」  キツネは信じられません。  でも、タニシはそこにいます。  キツネは気持ちわるくなって、むちゅうで走りだしました。  本当は、タニシはキツネのしっぽにつかまって、やってきたのでした。  そうとは知らないキツネは、負けたくないので、ひっしで走りつづけました。  そのうちに、疲れてフラフラです。  するとまた、タニシの声が。 「キツネさん、そんなことでは、おいこしてしまいますよ」  おどろいたキツネは、また、むちゅうで走りつづけました。  そして、都への道しるべまでくると、とうとうへたりこんで、 「やっとついた。タニシに勝ったぞ! ふうっ、疲れた・・・。そうとも、キツネがタニシに負けるはずはないんじゃ」  ホッとしたキツネの耳に、また、タニシの声が。 「キツネさん!」  キツネはキョロキョロと、あたりを見まわしました。 「ここですよ、キツネさん」  タニシが、都への道しるべの上にいます。 「おそいな。いまついたところかい? わたしはとっくについて、都見物をすませた後ですよ」 「そ、そんなばかな・・・」  それからというもの、キツネは足が速いことをじまんしなくなったそうです。 おしまい