今を生きる

今を生きる

2016-06-04    09'17''

主播: 蓮華

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介绍:
先日、女子中学生が友達と二人、飛び降り自殺をするというショッキングな事件が起こりました。 十四歳。私と同じ年代の彼女たちはなぜ、自ら命を絶つという行動に出てしまったのでしょうか。死を選ぶことしか選択肢はなかったのでしょうか。 私は、三人兄弟で兄と妹がいます。父は、私が四歳の時に他界したため、幼かった私の記憶に父との思い出は残っていません。子供三人を残された母の生活はもちろん、私たちの生活にもたくさんの変化が訪れました。 女性が一人、育児と仕事を両立させていくことが難しい社会の中で、母は夜の仕事に就き、私たち三人を一生懸命育ててくれました。そのうち私たちに、父親のような人ができたのもそれから間もなくでした。しかし、母が幸せになるために選択して始めた生活だったのに、酒とそれによる暴力という深刻な問題を抱えることとなり、結局は、私たちは今生活する児童養護施設に預けられたのです。 一つ屋根の下に、年齢様々な他人が共同で生活する中には、皆さんが想像以上に何かといろんなことがあります。時々、施設の屋上で、仕事に真面目でドライブ好きだったという父がいてくれたら、甘えさせてくれる母と一緒に住めたら、と思うことも数えきれないほどあります。耐えられないほどの恐怖に毎日、脅えていた自分の過去に目をつぶりたくなることもたくさんあります。でも、どんな時でも私は、希望だけは捨てずにいたいと思って生きているのです。たとえ、今は、家族ばらばらに暮らしていても、いつかは一緒に住める日が来ると信じているし、そばにいなくてもかけがえのない私の家族が今の私を支えてくれているのです。 今を生きる十代の皆さん、皆さんは今をどう生きていますか。単調な生活の中で、ただ学校や塾に通ったり、物事を真剣にとらえず投げやりになったり、すぐにあきらめたりしてはいませんか。 まだ十五年しか生きていない未来ある私たちであるはずなのに、夢がありますかという先生の質問にはいと答えられない友達がたくさんいます。何をするのもつまらない、面倒くさいとやる前から自分の力を試そうともしない人が多いような気がします。 確かに、何かを作るときも、勉強するときも時間はかかると、不安にもなるし、失敗してむかつくこともたくさんあります。友達でも本気で付き合おうと思えば、何かとトラブルも起きます。でも、そうやっていく中で、やってよかったという喜びも達成感も味わえるのです。百パーセント望んでいた結果が得られるわけじゃないけど、そうやって挑戦していくことで自分を見つけたり、変えたりできるのです。 私のいる児童養護施設にいる仲間は、みんなそれぞれいろんな過去や傷をもって生活しています。私はそこからいろいろなことを体験し、学んでいます。人と出会うということ、支えあうやさしさ、一緒に迷って何かを知る喜び。私が今、こうして立っているのも、ともに悩み、ともに成長していける仲間や先生方がいてくれるからだということを私は感じるようになりました。 人はどんな状況でも、決して一人の力ではなく、多くの人々の支えの中で生きているのです。そういうことを素直に感謝しながら、自分の力を信じて、いろんなことに挑戦したいと思っています。
上一期: かけがえのない水
下一期: 味方の存在