校长让小豆豆坐到椅子上,然后转过身对妈妈说:
“好,现在我来和小豆豆谈谈,您可以请回了。”
小豆豆在一刹那间感到有点紧张,但马上又想到,和这位校长先生谈话一定很好玩。妈妈很干脆地说:
“那么就拜托您了。”
然后关上门走出去了。
校长把椅子拖到小豆豆跟前,和小豆豆面对面坐下来说:
“好,随便给老师说点什么吧!把你心里想说的话,全都讲出来。”
“心里想说的话?”
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校長先生は、椅子をトットちゃんに勧めると、ママのほうを向いて言った。
「じゃ、僕は、これからトットちゃんと話がありますから、もう、お帰り下さって結構です」
ほんのちょっとの間、トットちゃんは、少し心細い気がしたけど、なんとなく、(この校長先生ならいいや)と思った。ママは、いさぎよく先生にいった。
「じゃ、よろしく、お願いします」
そして、ドアを閉めて出て行った。
校長先生は、トットちゃんの前に椅子を引っ張ってきて、とても近い位置に、向かい合わせに腰をかけると、こういった。
「さあ、何でも、先生に話してごらん。話したいこと、全部」
「話したいこと!?」
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小豆豆本来想,大概是问到啥就回答啥吧?可听到校长说“讲什么都可以”,便立刻兴致勃勃地讲了起来。虽然讲得有点颠三倒四,但小豆豆还是一个劲地讲着。她讲的内容有:
来时乘坐的电车开得很快。
曾向电车检票员叔叔要一张车票,但是没给自己。
原来上学的那个学校的女班主任老师长得很漂亮。
那个学校有一个燕子巢。
家里有一只褐色的名叫洛克的狗,会做出“伸爪”和“对不起”的姿势,吃完饭以后还会做出“吃饱了”的样子。
在幼儿园的时候,爱把剪刀放在嘴里,咔嚓喀嚓地剪着玩,这时老师总是生气地说:“要剪掉舌头的!”可自己还照样玩了好多次。
鼻涕流出来的时候,总爱嗞拉、嗞拉地抽鼻涕,因为怕挨妈妈骂,才赶快把鼻涕擤掉。
爸爸在海里游泳游的真棒,还会跳水。
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(なにか聞かれて、お返事するのかな?)と思っていたトットちゃんは、「何でも話していい」と聞いて、ものすごくうれしくなって、すぐ話し始めた。順序も、話し方も、少しグチャグチャだったけど、一生懸命に話した。
今乗ってきた電車が速かったこと。
駅の改札口のおじさんに、お願いしたけど、切符をくれなかったこと。
前に行ってた学校の受け持ちの女の先生は、顔がきれいだということ。
その学校には、つばめの巣があること。
家には、ロッキーという茶色の犬がいて“お手”と“ごめんくださいませ”と、ご飯の後で、“満足、満足”ができること。
幼稚園のとき、ハサミを口の中に入れて、チョキチョキやると、「舌を切ります」と先生が怒ったけど、何回もやっちゃったっていうこと。
洟が出てきたときは、いつまでも、ズルズルやってると、ママにしかられるから、なるべく早くかむこと。
パパは、海で泳ぐのが上手で、飛び込みだって出来ること。
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小豆豆滔滔不绝地讲了这么许多。校长一会儿笑,一会儿点头,一会儿又说:“还有呢?”因此小豆豆更高兴了,便一个劲地讲了下去。不过到后来终于没话好讲了。当小豆豆闭住嘴巴正在心里搜寻话题时,校长开口了:
“讲完了吗?”
小豆豆觉得就这样收场未免太遗憾了。
这可是个难得的好机会,要把所有的话都讲给校长听才行。
“还有什么好讲的呢……?”
小豆豆在脑海里紧张地思索着。想着想着,小豆豆差点叫出声来,“啊,有啦!”
又找到话题了。
这是一个有关连衣裙的话题:
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こういったことを、次から次と、トットちゃんは話した。先生は、笑ったり、うなずいたり、「これから?」とかいったりしてくださったから、うれしくて、トットちゃんは、いつまでも話した。でも、とうとう、話がなくなった。トットちゃんは、口をつぐんで考えていると、先生はいった。
「もう、ないかい?」
トットちゃんは、これでおしまいにしてしまうのは、残念だと思った。
せっかく、話を、いっぱい聞いてもらう、いいチャンスなのに。
(なにか、話は、ないかなあ……)頭の中が、忙しく動いた。と思ったら、「よかった!」。
話が見つかった。
それは、その日、トットちゃんが着てる洋服のことだった。
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有一天,小豆豆穿上了连衣裙。小豆豆的连衣裙一般都是妈妈亲手缝制的,但今天穿的却是买来的。之所以穿上买来的连衣裙,这里面也有一点原因。在这以前,小豆豆每天傍晚从外面回来时,不论哪件连衣裙都会被撕破,有时甚至被撕成一条一条的!妈妈根本闹不清为什么会弄成这个样子,而且,有时连白棉布做的带橡皮筋的裤衩也会撕的破破烂烂的。据小豆豆自己说,她从人家院子里横穿过去,有时是钻篱笆墙,有时是钻围荒地的铁丝网时“弄成这样的”。总之,早晨出去时穿着妈妈亲手做的漂亮衣服,结果每次都弄的破破烂烂的。由于上述种种缘故,今天只好把以前买的一条裙子让他穿上了。这是一条带有鲜红和浅灰色小方格的平针毛料做的连衣裙,料子虽然不错,但妈妈却认为领子上绣的小花“不素雅”。小豆豆就是想到了这件事。她连忙从椅子上下来,用手掂着领子走到校长跟前说:
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たいがいの洋服は、ママが手製で作ってくれるのだけれど、今日のは、買ったものだった。というのも、なにしろトットちゃんが夕方、外から帰ってきたとき、どの洋服もビリビリで、ときには、ジャキジャキのときもあったし、どうしてそうなるのか、ママにも絶対わからないのだけれど、白い木綿でゴム入りのパンツまで、ビリビリになっているのだから。トットちゃんの話によると、よその家の庭をつっきって垣根をもぐったり、原っぱの鉄条網をくぐるとき、「こんなになっちゃうんだ」ということなのだけれど、とにかく、そんな具合で、結局、今朝、家をでるとき、ママの手製の、しゃれたのは、どれもビリビリで、仕方なく、前に買ったのを着てきたのだった。それはワンピースで、エンジとグレーの細かいチェックで、布地はジャージーだから、悪くはないけど、衿にしてある、花の刺繍の、赤い色が、ママは、「趣味が悪い」といっていた。そのことを、トットちゃんは、思い出したのだった。だから、急いで椅子から降りると、衿を手で持ち上げて、先生のそばに行き、こういった。
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“您瞧,就是这领子,妈妈说她不喜欢!”
把这些话说完以后,小豆豆实在再也想不出什么可讲的了。小豆豆心里觉得有些难过。这时校长站了起来,用温暖的大手抚摸着小豆豆的头说:
“好,就这样吧!你就是这个学校的学生啦!”
……小豆豆不由得感到自己有生以来第一次碰上了真正可亲的人。因为小豆豆长这么大还从来没有人用这么长的时间来听自己讲话。而且在这么长时间里连一个呵欠也没打,丝毫也没有厌倦的表示。就像同小豆豆谈天一样探着身子非常认真的听她把话讲完。
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「この衿ね、ママ、嫌いなんだって!」
それをいってしまったら、どう考えてみても、本当に、話しはもう無くなった。トットちゃんは(少し悲しい)と思った。トットちゃんが、そう思ったとき、先生が立ち上がった。そして、トットちゃんの頭に、大きく暖かい手を置くと、
「じゃ、これで、君は、この学校の生徒だよ」そういった。
……その時,トットちゃんは、なんだか、生まれて初めて、本当に好きな人にあったような気がした。だって、生まれてから今日まで、こんな長い時間、自分の話を聞いてくれた人は、いなっかたんだもの。そして、その長い時間の間、一度だって、あくびをしたり、退屈そうにしないで、トットちゃんが話してるのと同じように、身を乗り出して、一生懸命、聞いてくれたんだもの。