部下:ええ。それで、話って言うのは、そのことなんですが、会社の育児休暇、あれ、男の社員が取ってもいいことになってましたよね。
課長:ああ、まあ、そうなってますけどね。
部下:確か、二か月の有休が取れて、希望すれば休職も可能だとか。
課長:うん、そうなってますけどね。前例がないからなあ。
部下:ああ、そうですか。前例ないんですか。
課長:いや、あの制度ができたのも、ほら、去年のことでしょ。
部下:ええ。
課長:男でそれに申し込んだ社員って言うのも聞いたことがないしね。
部下:じゃ、それじゃ、育児休暇を取らせていただくっていうわけには・・・。
課長:んま、一応ね、部長に相談してみないと何とも言えないんだけど、難しいんじゃないかな。君も、ほら、今ががんばりどきなんだから、もっとばりばり働いたほうが将来のためにもいいと思うだけどね。でも、ま、決めるのは本人だから。
部下:じゃ、もう一度妻と相談してみますが、部長にそれとなく聞いてみていただけませんか。
課長:ま、聞いてみることはできますけどね。
部下:じゃ、申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。
課長:可能性は、ほとんどないって思っといたほうがいいんじゃないかな。それに、私の立場からもね、賛成できかねるし。
部下:わかりました。お時間、いただきましてありがとうございました。
課長:ええ。