猫
「うん?写真落としたよ。」
拾った写真に目をやると、そこには丸くなって気持ちよさそうに眠る一匹の猫が映っていた。
「猫?どうしたんだこれ?飼ってるの?」
何度も「可愛いでしょ」と自慢されると、俺は猫にさえ嫉妬してしまう。
「そんなに可愛い猫なら、ぜひ会わせてよ。実は俺も結構猫好きなんだよ。」
その次の休日、俺はお土産の猫缶が入ったコンビニ袋を揺らしながら、家へと向かっていた。
(ディン·ドン) (にゃあ~)
「あは~おとなしいなぁ~抱っこされても嫌がらないんだぁ~可愛いなぁ~写真で見るよりも丸々として毛並みも綺麗だなぁ~」
猫は俺と目が合ったかと思うと、部屋の奥へと消えていった。俺の大人げない嫉妬に気づいたからかもしれない。なんて勘のいい猫なんだ!
「行っちゃったなぁ…俺のこと怖かったのかなぁ~なんて。ごめん。もう少しだけこのままでもいい?猫だけずるい。」
『うつたへにまがきの姿見まく欲り行かむと言へや君を見にこそ』
「あなたの庭が見たい」と言ったのは、貴方に会いたかったから。
俺の場合は猫だったけど…今度はあの猫とも仲良くなれたらいいなぁ~
“嗯~相片掉了。”
看了一眼捡起的相片,上面是一只圆圆的、安睡着的猫。
“猫?怎么回事,这是,她养的吗?”
好几次她都很自豪地说:“很可爱吧?”,结果我居然嫉妒起那只猫了。
“如果真的是那么可爱的猫的话,一定要让我看看。其实我也是非常喜欢猫的。”
接下来的那个假日,我带着作为礼物的猫粮罐头去她家,一边晃着便利店的袋子一边向她家里走去。
(门铃声。开门的声音。喵~~)
“啊~好乖啊!被抱着也没有反抗情绪。真可爱啊!比照片上还要圆圆的、毛也梳理得很漂亮。”
猫看了我一眼,很快消失在了里屋。可能是感觉到我不够成熟的嫉妒了吧。真是只敏感的猫啊!
“走掉了。可能是害怕我吧,我想。抱歉,就这样再呆一会好吗?只有猫的话就太狡猾了。”
『并非说,欲将篱笆看,只为见君面。』
——说想看看你家的院子其实是想见你。
我的立场是为了猫,下次能和那只猫好好相处就好了。