お久しぶりです!原文如下:
僕は赤ら顔のおじさんが暮らす星に行った事がある。そのおじさんは一度も花の香りをかいた事がない。星を眺めた事もない。誰かを愛した事もない。おじさんは足算以外、何もした事がないんだ。そして一日中、君みたいに繰り返して言ったよ。私は重要人物だ、私は重要人物だってね。そして大威張りに威張って、膨(ふく)れ上がっている。でも、そんなのは人間じゃない、キノコだ。キノコだよ。
王子さまの顔は怒りのあまり青ざめていた。
何百万年も前から、花は刺を付けている。
何百万年も前から、羊はそれでも花を食べる。どうして花がわざわざ役立たずの刺を付けるのか、考えるのは大事な事じゃないっていうの?
羊と花との戦いは重要じゃないっていうの?
赤ら顔の太ったおじさんの足算よりも、大事でも、重要でもないっていうの?
僕は世界中でたった一つだけの花を知っていて、それは僕の星にしか咲いていないのに、羊がある朝何も考えずにパクっとその花を食べてしまっても、そんな事は重要じゃないっていうの?
もしも誰かが何百万もの星の中でたった一つの星に咲く花を愛していたら、その人は星空を見上げるだけで、幸せになれる。
僕の花はあのどこかで咲いている、と思ってね。
でも羊が花を食べてしまったら、それはその人にとって、星の光が全ていきなり消えてしまうって事なんだよ。
それが重要じゃないっていうの?
王子さまはそれ以上何も言えなくなった。そして不意に泣き出した。
夜になっていた。僕は工具(こうぐ)を投げ捨てた。金槌もボルトも、喉の渇きも、迫(せま)り来る死も、もはやどうでもよかった。僕の星、この地球に慰めを求めている小さな王子さまがいたのだ。僕は王子さまを両腕で抱きしめ、小さな体を静かに揺(ゆ)すってあげた。
君が愛する花は危ない目になんか遭わ
ないよ。僕が羊の口に嵌める口輪をかいてあげる。花の周りには囲いをかいてあげるよ。僕は。。。
その先は何を言えばいいのか、分からなかった。なんて不器用なんだろう。どうすれば王子さまの心に届くのか。どうすれば再び一つになれるのか。僕には分からなかった。本当に謎めいている 涙の国という所は。。。