夏の挨拶
はがきを用いた夏の挨拶には、暑中見舞いと残暑見舞いがあります。
暑いさなか、普段会えない人や、お世話になった人の健康を気遣ったり、書き手の近況報告をしたりするこの習慣は、江戸時代から始まったといわれています。
お盆に里帰りする際、先祖へのお供え物を持参する風習から、お世話になっている人に贈り物をする習慣へと変わりました。明治時代になると郵便制度が発達し、簡素化されて挨拶状を送るようになり、現在の便りの形となったのです。
暑中見舞いと残暑見舞いの違いは、はがきを出す時期ですが、それぞれの期間を知らない人は案外多いかもしれません。諸説ありますが、暑中見舞いは梅雨が明けてから立秋まで、残暑見舞いは立秋から八月末までが一般的です。
書き方は、お見舞いの挨拶から始まり、健康を尋ね、自らの近況を知らせます。結びには、相手を気遣う一文を添えて、日付を入れて締めくくります。
同じ挨拶のはがきでも、年賀状とは、またひと味違った趣があります。夏らしい絵はがきに、日頃の感謝の気持ちを文字に表してみてはいかがでしょう。