気がつくと、俺は野原に横たわっていた。砂漠でなく草が生えているだけ、まだましかもしれな いと思った。いや、こうして呼吸していられることに、第一に感謝すべきだろう。
回过神来,我躺在了草地上。不在沙漠,单单只是生⻓长着草这一点,说不定就算好的了。不,能这 样呼吸着,都可以谢天谢地了。
体を起こし、あたりを見まわす。小さな丘が並んで、周りを取り囲んでいる。俺のいるのは、くぼ 地というべき場所だった。どこにも人影がない。当たり前のことだ。どうせ、ろくなものはない に決まっている。怪獣のたぐいに対面して悲鳴をあげるのは、少しでもおそいほうがいいとうも のだ。なにしろ、ここは他の惑星なのだから。 起身,看向周围。小山丘并排环绕着。我在的地方应该是个低洼的凹处。都看不到人影。这也是理
所当然的事情。反正没有像样的事情是肯定的。面对着怪兽发出悲鸣,能晚一点是一点吧。不管怎 样,因为这里是另一个星球。
俺はまた寝そべり、空を見上げた。明るい薄曇りの空。かりに曇っていなくて夜だったとしても、 俺には星座の知識など、まるでない。地球がどっちの方角なのか、見当のつけようがない。どっ ちを向いて望郷の念を抱けばいいのか、それすらわからないというわけだ。いたたまれない気分。 さびしい。なんという残酷なことだ。俺をこんな目にあわせやがって。望郷を持てあましながら、 ここでいつまでも過ごさなければならないとは。
我又躺下了,望着天空。明亮又微阴的天空。就算是个不阴的夜晚,我对星座也是毫无概念。也找 不到地球在哪个方位角度。就连思乡都不知道该朝着哪里才好。真叫人坐如针钻。孤寂。这是多么 残酷的事啊。我竟然遇⻅见这样的事。无法平复的思乡,也不知道要在这里呆多久。
いっそのこと、俺の過去の記憶をみんな消し、その上でこうしてくれたほうが、まだ人間的な扱 いと言える。まったく、ひどい話だ。俺は何もかも思い出せるのだ。
倒不如把我的记忆擦掉,这样对我的话,还算是有点人性的做法。真的是,太残忍了吧。我什么都 能想起来。
気がつく:きがつく:意识到,注意到。(そのことに考えが及ぶ。気づく。) 横たわる:よこたわる。躺卧。(横になる。)
野原:のはら。
砂漠:さばく。
まし:(比)好〔强〕些,(与其......)不如(宁可)......;胜过,胜于。(他と比べて勝ってい ること。)例:ないよりは増しだ。有胜于无。
呼吸:こきゅう。
感謝:かんしゃ。
べき:应当。
取り囲む:とりかこむ。围,包围,环绕。(まわりをすっかり囲む。) くぼ地:窪地。
人影:ひとかげ。 当たり前:理所当然,自然(自然で、少しもふしぎでない)。
ろく:令人满意;象样。(あとに打消しの語を伴って用いる。正常なこと。まともなこと。満足 できる状態であること。また、そのさま。まとも。)
怪獣:かいじゅう。
対面:たいめん。
悲鳴:ひめい。
惑星:わくせい。
寝そべり:ねそべり。随便躺卧,伸腿伏卧。(腹ばいになり、両足をのばしてねる。ごろっと横 になる。)
明るい:あかるい。
薄曇り:うすぐもり。微阴;半阴天。(空一面にうすい雲がかかっている状態。また、その天
気。)
かりに:仮に。假设。(現実ではないが、もしあったとして。) 曇る:くもる。阴天。(雲が出て、空を覆う。)
星座:せいざ。
知識:ちしき。
方角:ほうかど。 見当:けんとう。估计,推测,推断,猜测(はっきりしていない事柄について大体の予想をする こと。見込み)。
望郷:ぼうきょう。
抱く:いだく。
気分:きぶん。
残酷:ざんこく。
目にあう:慣用語。体验,遭遇。(直接に経験する。体験する。多く、好ましくないこと にいう。目を見る。)
持て余す:もてあます。无法对付,难于处理,不好打发。(取り扱い方や処置に困る。もちあつ かう。)
過去:かこ。
記憶:きおく。
的:てき。...一般的;...式(的);似乎,好象。表示带有某种性质的。(...のような;...に似て いる。)
扱い:あつかい 思い出せる:おもいだせる。可能态。能想起。