聞いてほしいことがあるのは、私の方だった。でも、こんな話を、まともな人間が耳を貸してくれるとも思えない。一体、私はどうするべきなのか。「おかえり。どうした?変な顔して、大丈夫か?」そうだった。前の人生で、夏に離婚していたこの夫は、まだこの頃は、家に存在していたのだった。認めざるを得ない。ここは一年前のあの日だ。そして、私はこの一年後に、担任生徒の誰かに殺される。いっそのこと夫に相談して、どこか遠くへと、逃げ出すべきか...けど果たして、この状況が正しく伝わるのか。それに既に、生徒が私に殺意を持っていたとしたら、たとえ逃げても、唯一間違いないことは、この一年に対して私は、何かを変える必要があるということだ。