「人間はどこ?砂漠って、ちょっと寂しいよね。」
「人間がいても寂しいさ。」
「君って、変わった生き物だね。指みたいに細くて。」
「でも、王様の指よりずっと強いんだよ。」
「そんなに強いはずはないよ。足もないし、旅もできないじゃない?」
「私は船より遠くにお前を連れて行ける。」
蛇は、金のブレスレットのように王子さまの足首に巻きついた。
「私は、触れた物を皆、土へと返してやる。しかしお前は、純粋無垢で、星からやって来たという。」
王子さまは、何も答えなかった。「かわいそうに。この岩だらけの星で、お前は斯くも弱い。いつか、自分の星が恋しくてたまらなくなったら、私が力を貸してやろう。」
「分かったよ。でも、どうして君はいつも謎めいた話し方をするの?」
「私には、全ての謎が解けるからさ。」
そして、どちらも黙り込んだ。