Bgm 岸部眞明 - 少年の梦
鏡台は秀代のものだが、アンティーク調のデザインが気に入ったので、今も捨てずに置いてある。引き出しにアクセサリーが入っているのは本当だ。ただし晴美のものではなく、秀代の娘の公子が独身時代に集めたものらしい。じっくりと見たことはないが、おそらく大した価値はない。高価値なものなら、公子が嫁ぎ先へ持っていっただろう。
那个梳妆台是秀代的,晴美喜欢古董味的设计,所以留了下来。抽屉内的确放了首饰,只不过那不是晴美的,而是秀代的女儿公子在单身时代买的。晴美没有仔细检查过,但应该没甚么价值,如果是昂贵的首饰,公子早就带走了。
「あなたたち、どうして私を……この家を狙ったの?」晴美は訊いた。
少し間があり、別に、とリーダーが答えた。 「何となくだよ」
「でも、わざわざ私のことを調べたんでしょ?何か理由があるからじゃないの」
「うるせえな。どうだっていいだろ、そんなこと」
「よくないわ。気になる」
「いいんだよ、気にしなくて。黙ってろ」
「你们为甚么……要来我家闯空门?」晴美问。
那个带头的男人迟疑了一下说,「没为甚么,没有特别的理由。」
「但你们不是特地调查了我吗?一定有甚么理由。」
「妳少啰嗦,这种事和妳无关。」
「怎么会和我无关呢,我很在意啊。」
「妳闭嘴,不必在意这种事。」
男にいわれ、晴美は口を閉じた。相手を刺激するのはよくない。
気まずい沈黙が少し続いた後だ。「ひとつ訊いていいですか」と男がいった。リーダーではない男のほうだ。敬語が意外だった。
おい、とリーダーが窘めるようにいった。「何をいいだすんだ」
「いいじゃないか。俺、どうしてもこの人に確かめておきたいんだ」
「やめろ」
「何が訊きたいの?」晴美はいった。「何でも訊いて」
大きな舌打ちが聞こえた。たぶんリーダーだろう。
被男人这么一说,晴美闭了嘴。现在不能刺激对方。
一阵尴尬的沉默后,一个男人问:「可以问妳一件事吗?」他不是带头的那个人,而且说话语气恭敬,让晴美有点意外。
「喂!」带头的男人斥责他:「你别乱说话。」
「有甚么关系,我一定要当面向她确认。」
「别乱来。
「你要问甚么?」晴美问,「你可以问任何问题。」
她听到用力咂嘴的声音,应该是那个带头的人。
「ホテルにするって本当ですか」リーダーではない男が訊いた。
「ホテル?」
「丸光園を取り壊してラブホテルにするつもりだって聞きました」
予想外の名称が出てきた。意表をつかれた思いだ。するとこの男たちは、苅谷の関係者なのか。
「妳真的打算要盖旅馆吗?」不是带头的那个男人问。
「旅馆?」
「听说妳打算拆掉丸光园,盖汽车旅馆。」
对方提到这个意想不到的名字出乎晴美的意料,他们和苅谷有关吗?
「そんな計画はないわ。丸光園を再建したくて、買い取ることにしたんだから」
「それは嘘だって、みんなはいってるぜ」リーダーが口を挟んできた。「あんたの会社は、つぶれかけた店をリニューアルさせて儲けたりするって話だ。ビジネスホテルをラブホに変えたっていう話も聞いた」
「そういうこともあったけど、今回の話とは関係ない。丸光園のことは、私が個人的に動いていることなの」
「嘘だ」
「嘘じゃない。こういっては何だけど、あんなところにラブホテルなんか造ったって、客が来るわけない。そんな馬鹿なことはしません。信じて。私は弱い人たちの味方なの」
「没有这种计划,我买下丸光园,是打算好好重建。」
「大家都说妳在骗人,」带头的人插嘴说,「妳的公司专门把快倒闭的店重新装潢后赚钱,听说也曾经把商务饭店改成汽车旅馆。」
「虽然的确曾经有过这种案例,但和这次的事无关,丸光园是我私人在处理的。」
「骗人。」
「我没骗你们,虽然这么说有点失礼,但即使在那种地方建造汽车旅馆,也不会有客人上门。我才不会做那种蠢事。相信我,我向来都是弱者的朋友。」
「本当ですか」
「嘘に決まってるだろ。信用するな。何が弱い人の味方だ。金にならないとわかったら、さっさと切り捨てるくせに」
その直後、階段を下りる足音が聞こえてきた。
「遅えじゃねえか。何やってたんだ」リーダーが叱責した。
「二重底の開け方がわからなかったんだ。でも開けたぜ。すごいよ。これを見てくれ」
じゃらじゃら、という音がした。引き出しごと持ってきたらしい。
「真的吗?」
「当然是假的,别相信她。甚么向来是弱者的朋友,一旦发现无法赚钱,就会毫不留情地一脚踢开。」
就在这时,听到下楼梯的脚步声。
「怎么去了那么久?你在干甚么啊?」带头的训斥道。
「我刚才不知道怎么打开双层的底,后来才终于搞清楚,你们看,有好多首饰。」
接着,听到沙啦沙啦的声音。他似乎把整个抽屉都拿下来了。