アラサー・ややこのおそうじ奮闘記

アラサー・ややこのおそうじ奮闘記

2016-02-13    11'33''

主播: 索谓

2163 222

介绍:
◆著者プロフィール ややこさんは、ブログ『アラサー女子が汚部屋を脱出するまで』の著者。 タイトルの通り、足の踏み場もないほど散らかった部屋、いわゆる「汚部屋」を片づける内容を綴ったブログですが、その押し付けがましくない雰囲気が読者の反響を呼び、ブログの読者の方からアドバイスを受けて掃除を進めていくなど、インターネットならではの盛り上がりを通じて、その年のブログのコンペディションで賞を獲得するほどの大人気ブログです。 こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。 本書は、電子書籍で発行されていて、ややこさんが「汚部屋」を脱出しようと思った経緯、そのきっかけ、また「汚部屋」の片づけを通して学んだことを僕らに伝えてくれる内容となっています。 で、本の内容に入る前に、本書の冒頭に掲載されている写真のお話。 これ、片づけ前のややこさんの部屋らしいのですが…… うん、すごいね! というのが素直な感想です。 なんといか……最近「汚部屋」というのは、ある程度認知されてきた言葉でテレビなどでも度々取り上げられることがありますが、本を読んで何となく著者を身近に感じていると、本当にこの部屋に住んでたのか!? と思わず問いただしたくなるような写真でした。 足の踏み場のないほどちらかった家具やゴミや……なんかよくわからない小物類。 カビだらけの部屋、台所、お風呂。ホコリだらけの洗濯機、電子レンジ。 廃墟と見紛うばかりに汚れきった洗面台は、謎の洗面用具の空きボトルで埋められている。 ゴミ捨て場かな? と思ったら、そこは玄関。 ブログを更新していたであろうパソコンの横には、大量に放置された空き缶と紙パック。 ……失礼を承知で言いますと、使われなくなった農家の納屋。 そんな感じの空間でした。 僕も部屋が散らかってる方だと思うのですが、あまりのレベルの違いに「あ、僕の部屋キレイだなぁ」と、勘違いしてしまうほどです。 ……このあたりは実際に、本書かややこさんのブログを読んで下さい。 さて、そんな「汚部屋」に住んでいたややこさんですが、「汚部屋」になってしまったのには原因があったと言います。 なんでも、当時、お仕事が忙しく、毎日夜遅くに疲れて帰ってきて、元々掃除が苦手だったこともあり、どんどん部屋が汚れていってしまったのだとか。 ただ、仕事順調で、ある日職場の上司から呼び出されて、上の役職を目指さない かと打診を受けたそうです。 ですが、そのころ、ややこさんは体調を崩してしまい、考えた末に退職を決意。 健康面や金銭面など、様々な面で苦労しながら半年後に再就職します。 その会社では、帰宅時間が夜の20時だったので、「これでやっと、人間らしい生活ができる」と思い、散らかってしまったお部屋の掃除に着手………… できると思うじゃん? できなかったんだそうです。 部屋はますます汚くなり、体重は増える一方。 生活は一向に改善されなかったといいます。 折角、時間があっても、だらだらとゲームをしたりテレビを見たりしていたと言います。 ここで、ややこさんは気づきました。 部屋が汚いのは環境のせいではない、と。 そう、自分自身が弱い、という事に気付いたのです。 ややこさんの言葉を借りれば、 「わたしは、わたしが思っているほど 強くはない」ということを認めたのです。 そして、弱いわたしでも、できることを探そう。 このように考え方を改めたのです。 さて、ここまで聞いてリスナーさんの中には、「あれ、具体的な掃除の話は?」と思った人も多いかと思います。 もちろん、そういった内容は、本書の全5章のうち、2章、3章、5章で触れられています。 ですが、今お話したややこさんが「自分が弱いと認めた」という部分。 本書の第1章の内容ですが、ここって結構重要な事が書いてあるな、と感じたので先に大きく時間を割いてご紹介させて頂きました。 自分が弱いと認めるって、じつは大事なことだと思うんです。 今の自分にできること、できないことを明確にして、 では、その「できないこと」をしたい場合、どうすればできるのか? このように考える人って、成功者に多いんですよね。 そのためには、自分は万能でなく弱い人間であると認めること、こういったアプローチを取る人が、今まで僕が読んだりお会いしてきた成功者の半分以上でした。 だから、本書のこの部分を読んだとき、ややこさんスゴイなと思ったんですよね。 では、話を本書に戻しましょう。 そうやって、自分を見つめなおしたややこさんは、 おそうじに対して「ムリをしない」という目標をかかげました。 この「ムリをしない」基準は3つ 1)お仕事をちゃんとこなせる体力を残すこと 2)「あともう少しおそうじしたいな」と思えるところであえて切り上げること 3)気持ちがのらないときや、疲れている日はお休みをすること。 この3つです。 2番目の基準は面白いですね。 「おそうじしたい」気持ちを抑えて、あえて切り上げる。 運動不足の人が、ジョギングとかランニングを始めるときに、インストラクターさんなんかによく言われる事だと聞きます。僕も、以前、理学療法士の方に言われました。 そして、ややこさんは自分自身に3つのルールを設けました。 1)毎日何かしらブログを更新する 2)平日のおそうじは朝の1時間だけ 3)ムリをしない(前述) これはやはり、継続するための仕組みを、自分をキチンと見つめなおして作っていったという事なんでしょうね。 この辺りは第2章に書かれているのですが、「おそうじ」の部分を「ダイエット」なり「運動」なりに変えても、上手く続けることができそうです。 さて、そうやっておそうじを続けていったややこさん。 果たして結果はどうなるのか!? ……と言いたいところなのですが、その結果の一つがこの本です。 つまり、部屋は無事に片付いて、ブログは賞を取り、電子書籍の出版まで決まった。 大成功じゃないですか! でも、ややこさんのお部屋のビフォーアフターは、一見の価値アリですよ。 ムリをしない、という緩めのルールでおそうじをしていたように聞こえますが、 継続は力であることがよく分かる、感動的な片付け後の写真は是非見てみて下さい。 では、そろそろまとめに入りましょう。 本書は電子書籍で113ページ。ややこさん自身の書かれたかわいいイラストと手書きのようなフォントで、ふんわりと読める一冊です。 内容も、ややこさんの等身大の文体と、押し付けがましくない主張が優しい印象。 同年代で、部屋が汚いとお悩みの方にはぜひオススメできます。 また、気分がふさぎ込みがちな人は、本書を参考に、ややこさんのようなルールで部屋を片づけ始めてみてはいかがでしょうか? その他にも、興味本位で読むのもありかと思います。 人の汚部屋のそうじ、というのは、ご本人には失礼ですが、エンタメ性があります。 「なんで、そんな状態に!?」という驚きの描写もありますので、本は楽しみたいんだ!という人は、その辺りをぜひ楽しんでみて下さい。 最後になりますが、著者のややこさん。 お部屋の片付けと、ブログの受賞、そして本書の出版、おめでとうございます!!