去年の春、先輩は東京の大学に行ってしまった。猛烈に悲しかった。
東京の武蔵野大学、友人の小野田夏子さんに言わせると、有名な大学らしい。でも、武蔵野という響きはなんか先輩らしい気がした。武蔵野、武蔵野…
あたしは国木田独歩の「武蔵野」を読んだ。難しくてよく分からなかったが、いらい武蔵野という場所、武蔵野という地名が私の中の重要なキーワードになった。武蔵野、武蔵野、武蔵野…
ただっピーローイ原野の中で得意のギターを弾いている先輩の姿、そんな映像が壁の額縁の絵のように、いつもあたしの脳裏にこびりついて離れなくなってしまった。
受験勉強にあけくれた夏休みの終わりの頃、東京に遊びに行っていた後輩の真圣がうちにやってきた。
「武蔵野」を包んだ茶色いカバーには「武蔵野堂」という書店の名前がすりこまれていた。
武蔵野の原野をさまよっていた私はついに先輩の居場所を突き止めた。武蔵野の武蔵野堂。
あたしは残りの半年の高校生活のすべてを武蔵野にささげた。
去年春天,学长考上了东京的大学,让我感到悲痛欲绝。
东京的武藏野大学,朋友小野田夏子说是很有名的大学。但是武藏野这个词总是让我想起学长。武藏野…武藏野…
我读过国木田独步写的《武藏野》,内容很难看不太懂。但武藏野这个词对我来说却是重要的关键字。武藏野…武藏野…武藏野…
在辽阔原野弹着吉他的学长,那幅像是壁画般的影像。深深的印在我的脑海里。
埋首于准备考试的夏季末,去东京玩的学妹真圣回来了。包在《武藏野》上的茶色书套,印有“武藏野堂”书局的名字。
徘徊在武藏野的原野,我终于找到他出没的地方。武藏野的武藏野堂。
我将剩下半年的高中生活,送给了“武藏野”。
(日文为本人听写,中文翻译摘自网络)