◆著者プロフィール
道尾秀介さんは1975年生まれ。
2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、2005年に同作にてデビューされました。2005年に上梓された『向日葵の咲かない夏』が2008年に文庫化されてベストセラーとなります。
2011年には史上初となる5回連続候補を経て『月と蟹』で第144回直木賞を受賞されています。他著に『鬼の跫音(おにのあしおと)』『球体の蛇』『笑うハーレキン』『鏡の花』『貘の檻』など多数あります。
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
なんと、道尾秀介さんが『作家生活10周年記念』の作品を書かれたということで、今回は、その最新作をご紹介させていただきます。
いったいどんな物語なのか、楽しみですね。早速、内容を見ていきましょう。
巷ではそれなりの視聴者を持ち、人気があるラジオ番組『桐畑恭太郎の1UPライフ(きりはたきょうたろうのわんなっぷらいふ)』。
ラジオのパーソナリティである桐畑恭太郎は、見た目は冴えないのですが声が非常に魅力的な男性。
そんな彼は、行きつけのバー「if」で仲間たちと過ごす毎日を、面白おかしい話に作り変えてリスナーへ届けています。
ある雨の日、恭太郎はいつも通り仲間たちと「if」で飲んでいたのですが、そこへびしょ濡れになった美女が迷い込んできました。
常連ばかりのこの店には珍しい一見の客。しかも様子がおかしい。
そして彼女は何か頼むでもなく、入口付近に立ち尽くし、ただ一言「コースター」とつぶやいて、去っていきます。
恭太郎たちは呆然と謎の客を見送るのですが、そんな中、常連の一人が彼女のつぶやきの真の意味に気が付いたのです。
果たして、謎の美女の真意とは――?
物語の一部をドラマにしましたので、ぜひ本編をお聴きください。