麻生: 久しぶり。電話できなくて、直接来た。
(聞く気持ちがある人には、必ず伝える。)
亜也: 今日ね、夢見たんだ。
麻生: 夢?
亜也: いつも見る夢の中でもね、歩いたり、走り回ったり、自由に動けるの。初めて麻生君と会った頃みたいに。でもね、今日の夢は、違った。私、車椅子に乗ってた。夢の中でも、私は、体が不自由だった。自分の体のことを認めてるつもりでも、心の底では、認めてなかったのかも。これが、私なのにね。
麻生: 俺の今の気持ち、言っていいか。ずっと先のことなんて、分かんない。けど、今の気持ちは百パーセント嘘がないって、自信持って言える。俺、お前が話すなら、どんなにゆっくりでも、ちゃんと聞く。電話で話せないなら、こうやって直接会いに来る。俺イルカじゃないし、お前もイルカじゃないし。お前が歩くなら、どんなにゆっくりでも、一緒に歩く。今は頼りにならないかもしれないけど、いつかお前の役に立ちたい。昔みたいにいけなくても、その気持ちで繋がってるから、住む世界が違うと思わない。俺、お前のこと、好きなの、好きなのかも。多分。
亜也: ありがとう。