この一ヶ月、毎日が東奔西走だ
中途半端な知識で四字熟語(よじじゅくご)は使わない
世の中には、なんとなくおかしな言い方や表現がたくさんある。ここては、四字熟語について、いくつか紹介しておこう。
まずは、「この一ヶ月、毎日が東奔西走だ」という文章。
「東奔西走」とは、ある仕事や目的のためにあちこち駆け回ることだが、「東奔西走だ」という言い方はおかしい。
「毎日、東奔西走する」
「毎日が東奔西走の忙しさだ」
「東奔西走の毎日だ」
と言い換えたいところだ。
次は、新聞などにありがちな。「負債額としては空前絶後」という文章。「空前絶後」とは、「これまでにも例がなく、将来もないだろうと思われるほど、まれなこと」よいう意味である。
なるほど、この場合の「負債額」は過去に例がないほど巨額だったのだろうが、つもり、「絶後」は言い過ぎで、この場合は、「負債額としては空前」で、とめておけばよかったのだ。
最後は、「秘密漏洩を守る」「秘密漏洩」とは「秘密が漏れること」で、それを「守る」というのはヘンな話。
単に、「秘密を守る」「秘密が漏洩しないようにする」で十分だろう。
四字熟語は、中途半端な知識で使うととんだ恥をかくことが多い。要注意の日本語である