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朗読:朱祢
マイクの前に立ってゆっくりと息を吸う
アコギギターを持った私の前は
ただ人ひとが通り過ぎるだけだ
分かってる
私の歌を聴いてくれる人は居ない
友達とカラオケに行った時に
ちょっと褒められたぐらいで
調子にのった私がバカだったのかもしれない
それでも私はもう一度マイクに向かう
通り過ぎる人達の心に少しでも響くように歌を歌い続ける
才能なんてなくたっていい
バカにされたってかまわない
お金なんてなくても
なぐさめてくれる人が居なくても
応援してくれるファンが居なくても良い
ただ私は歌いたい
歌を歌って私の想いを届けたい
1人でもいい
誰かここを通る人の心の中に
残るようなそんな歌を歌いたい
一生のうちで1回でも
私の歌で誰かの力になれたなら
そう思って私は今日も歌を歌う