春原 すのはら 卯卯
朋也 ともや 浅濑
杉坂 すぎさか 轻红
渚 なぎさ 楚薇
(BGM:折戸伸治 - 潮鳴りII)
春原:やっぱり合唱部の一人だったよ。杉坂って子だ
朋也:证拠はあるのか
春原:そいつのクラスメートが見てた。3年の教室に入って机に何か入れてるところをさ。言っとくけどうそじゃないぜ。おっと、犯人のお出ましだ。呼び出しかけといたんだよ
(低跟鞋在水泥地上走路的声音)
春原:感心に一人できたみたいじゃん
杉坂:手紙を出したのは、私一人の考えですから、仁科さんたちには関係ないです。悪いのは私だけですっ
春原:そんな言い分が通ると思ってるのかねぇ。あっちもこっちも考えの甘い子ばっかりで嫌になっちゃうね
朋也:待て春原っ
渚:待ってください春原さんっ
渚:昨日、音楽室でお会いしましたよね。ちゃんとお話しましょ
杉坂:仁科(にしな)さんは、小さい頃からバイオリンを弾いていて、コンクールで何度も入赏したことがあるんです。大勢の人から才能を認められていて、留学もする予定でした。でも、それが決まる直前に、事故にあって???握力が弱くなってしまって、バイオリンも、前みたいに上手に弾けなくなっちゃって。それでこの学校に入ったんですけど、ずぅっとさみしそうで。だから私たち、合唱部をつくろうって決めたんですっ。バイオリンは弾けなくても、歌は歌えますっ。仁科さんは、歌もすごく上手ですからっ。お願いですっ、りえちゃんの邪魔はしないでくださいっ
頭を下げる杉坂。
渚:あ、あの...
春原:そんなやつのいうことを聞くなっっっ!!!そんなふうに人の同情を誘うようなやつは、卑怯者だっっ。そんなハンデでひいきされたいなんて考えが、甘すぎるんだよっっっ!!!
朋也:春原...
春原:そんなハンデでっっっ!!!
(把盒子摔倒地上的声音)
渚:私、仁科さんたちの邪魔はできないです
春原:渚ちゃんは何も悪くない!さっきのこいつの言葉は忘れろっ!
渚:もう、知ってしまいました。合唱部の人たちは、本気で音楽をやろうと思ってるのに、演劇部は...
渚:杉坂さん、演劇部はあきらめます
杉坂:古河(ふるかわ)さん...
渚:だから、仁科さんたちと一緒に、素敵な合唱部を作ってください
朋也:春原っ!
(BGM:小さな手のひら伴奏)
朋也:春原も俺と同じなんだよ。スポーツ推薦で入った部を、途中でやめるはめになったんだ
渚:春原さんが?
朋也:あいつはサッカー部だった。でも、先輩と衝突して大喧嘩して退部させられて、あとは俺と同じ、何もすることがなくてぶらぶらしてるだけだ
渚:そうだったんですか
朋也:夢を途中であきらめなくちゃいけなくなったのは、あいつも同じだ。だからこそ、その境遇に甘えるのが许せないんだろうな。なぁ、本当にこれでよかったのか?
渚:...岡崎さん
朋也:なんだ
渚:とても楽しかったです。今まで一緒に頑張ることができて。演劇部は再建できなかったですけど、もっと大切なもの、たくさん見つけることができました。岡崎(おかざき)さんとも仲良くなれました。杏(きょう)ちゃんや椋(りょう)ちゃんや琴美(ことみ)ちゃんや春原さんとも。こんな私でも、ここまで頑張ってこられたのは、岡崎さんのおかげですっ
朋也:俺は何もしてないよ
渚:そんなことないです
朋也:お前が强くなったんだよ。あの坂の下で悩んでた頃よりもさ
渚:えっ
朋也:不器用で、泣き虫でも、ここまでがんばってきた。だから强くなれたんだ
渚:岡崎さんがいなかったら、私、何もできませんでした...すいません。泣くつもりじゃないのに...
朋也:渚...