宇宙戦争
宇宙暦・九万一年。
新型の宇宙船から、船員たちが一つの星を見つめている。
「あれが地球か。昔はあそこにヒトという種族が支配していたなんて、歴史教育の嘘っぱちもいいとこだ」
「見ろよ、あの星。ヒトが滅茶苦茶にしたなれの果て。昔は青い星だったというが、それも本当か嘘かはわからない。薄汚れた色で、住めたものではない」
「そんな歴史が繰り返さないために、優れた能力を持つ我々が支配する。ヒトなんて、元々弱すぎる種族だったのに、知能だけは程々にあっただけの滅びゆく種族。我々の敵ではない」
「地球にいた頃、我々とは天敵だったらしいぞ」
「ごきぶり、と言われていたそうだ」
カサカサと、話し声が絶えなかった。