第155回:朗読|猫の神さま(2)-吾輩も猫である

第155回:朗読|猫の神さま(2)-吾輩も猫である

2019-05-11    17'16''

主播: 日本語外教中村

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介绍:
夏目漱石没後100年&生誕150年記念!明治も現代も、猫の目から見た人の世はいつだって不可思議なものです。猫好きの作家8名が漱石の「猫」に挑む!読めば愛らしい魅力があふれ出す、究極の猫アンソロジー! 主播:中村纪子 作品:村山由佳『猫の神さま』(『吾輩も猫である』より) BGM:吉森信 - 親と子の物語 以下为部分节目原稿,查看全文请移步【公衆号:中村Radio】 中村日语课程咨询【官方号:nakamurajapanese】 「猫の神さま」(2)  やがて知ったことだけれど、彼女は、あたしにだけそう言ってくれるわけじゃなかった。オスの人間から、特にベッドの上で求められると、ものすごく簡単にその言葉を手渡した。  あたしたちが生まれた時、すでにこの家に住みついていたオスは、<あたしのヒト>よりいくつか年上で、眼鏡をかけていて、猫の常識から言わせてもらうと信じられないくらいの身ごなしの美しくない人だった。自分の背が低いことをずいぶん気にしていたけど、そんなことより、その微妙に背伸びしながら前のめりにせかせか歩く癖を先に直せばもう少しマジに見えるのに、といつも思った。  いけすかないオスだった。定職はあるような無いような感じで、<あたしのヒト>にえらそうに物を言い、家の中のことは何ひとつ手伝おうとしない。お金にならないことのためには動かない、と決めているみたいに。何より、あたしのことを、まるで犬を相手にするような身ぶりと声色でぞんざいに扱うのがいちばん我慢ならなかった。デリカシーというものが欠片でもあったなら、猫と犬を同列に考えられるはずがない。 …… (查看全部原文请移步【公衆号:中村Radio】)