日本の昔话 8——カニの相撲

日本の昔话 8——カニの相撲

2016-06-15    04'16''

主播: Jennykaede

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介绍:
之前工作比较忙好久没有读了,今天继续开始! 天下人となった秀吉(ひでよし)は、大阪城(おおさかじょう)と言う、大きなお城に住んでいました。  大阪城にはきれいな池があって、そこには金で作ったカニが置いてありました。  それも、一匹や二匹ではありません。  大きいのやら小さいのやら、何百匹ものカニがキラキラと光り輝いていました。  ところが秀吉は、今度京都に新しい城を作ったので、そちらに引っ越す事にしたのです。  そこで秀吉は、この池の金のカニを家来たちに分けてやる事にしました。 「お前たちに金のカニを分けてやるが、誰にでもやるのではない。  何故、カニが欲しいのか。  カニを、どう言う事に使うのか。  その訳を言うがよい。 『それなら、カニをやってもよい』 と、思う様な訳を言った者にだけ、分けてやる事にしよう」  家来たちはみんなは首をひねって、何と言えば、あのカニをもらえるだろうかと考えました。  そのうち、一人が進み出て言いました。 「殿さま。わたくしは、床の間の飾り物にしたいと思います。ぜひ、一匹下さいませ」 「おお、床の間の飾りか。それなら良かろう。お前には大きいのを一匹つかわそう」 「はい。ありがとうございます」  その家来は大きいカニを一匹もらって、得意そうな顔をしました。  すると、もう一人の家来が言いました。 「わたくしは、書が趣味です。ですから紙を押さえる文鎮(ぶんちん→紙が動かない様にする重り)にしたいと思います」 「そうかそうか。文鎮なら良かろう。ただ、文鎮では大きすぎては邪魔だから、小さいのを一匹つかわそう」 「はい。ありがとうございます」  その家来は小さいカニを一匹もらって、少し残念そうな顔をしました。  それからみんなは、次々と色々な事を言ってカニをもらいました。 「わたくしは、子どもや孫の代まで、いいえ、もっと先まで伝えて、家の守り神にしたいと存じます」 「わたくしは、・・・」 「わたくしは、・・・」  ところが家来の一人の曽呂利(そろり)さんだけは、みんなの様子を黙って見ているだけで、何も言いません。 「これ、曽呂利。お前はさっきから何も言わないが、カニが欲しくないのか?」  秀吉が尋ねると、曽呂利はつるりと顔をなでて、 「いえいえ、もちろん、わたくしも頂きとうございます。しかし」 「しかし、どうした?」 「わたくしの使い方は、一匹では足りませんので」 「何?一匹では足りぬと。ふむ、一体何に使うのじゃ?」 「はい。わたくしは勇ましい事が大好きでございますので、あのカニに相撲を取らせてみたいのでございます」 「ほう、相撲か。なるほど考えたな。よし、では二匹をつかわそう」 「いえいえ、相撲はやはり東と西に分けて、横綱(よこづな)、大関(おおぜき)、小結(こむすび)、幕下(まくした)と、それぞれいなければ面白くありません」 「おおっ、確かにそれもそうじゃ。それでは曽呂利よ、残りのカニは、みんなそちにやろう。持っていけ」 「はっ、ありがとうございます」  曽呂利さんはニコニコ顔で、残りのカニを全部持って行ってしまいました。  その為に、カニをもらいそこなった家来たちは、 「曽呂利め、相撲とは考えたな。それならわしは、武者合戦(むしゃがっせん)とでも言えば良かったわ」と、悔しがったそうです。 おしまい