第一封:
1945年12月25日
友子、太陽がすっかり海に沈んだ
これで本当に台湾島が見えなくなってしまった
君はまたあそこに立っているのかい
友子
許しておくれ、この臆病な僕を
2人のことを決して認めなかった僕を
どんなふうに
君にひかれるんだったっけ
君は髪型の規則も破るし
よく僕を怒らせる子だったね
友子
君が意地張りで新しいもの好きで
でも
どうしようもないくらい君に恋をしてしまった
だけど
君がやっと卒業した時
僕たちは戦争に敗れた
僕は敗戦国の国民だ
貴族のように傲慢だった
僕たちは一瞬にして
罪人の首かせを科せられた
貧しい1教師の僕が
どうして民族の罪を背負えよう
時代の宿命は時代の罪
そして僕は貧しい教師に過ぎない
君を愛していても
あきらめなければならなかった