「それでおしまい?」
「それで十分。」
「僕は花を持っていて、毎日水をあげていたよ。3つの火山を持っていて、毎週煤払いを欠かさなかったよ。用心に越したことはないから、死火山もちゃんと掃除していた。僕が持っていることが火山にも花にも役に立っていた。でも、あなたはちっとも星の役に立っていないね。」
実業家は口を開けたが、返す言葉が見つからなかった。
王子さまはそこから立ち去った。
大人って、全く本当にとんでもないな。
王子さまは旅を続けながら、そう思った。5番目の星はとても変わっていた。一番小さな星だった。1本の街灯とそれに明かりを点す点灯人だけでいっぱいだった。
無人の星で、街灯と点灯人が何の役に立つのか分からなかったけれど、それでも王子さまは点灯人の仕事には意味があると考えた。
あの人が明かりを点すと、星や花がもう1つ生まれ出るみたいだ。とても素敵な仕事だ。それはつまり、役に立つ仕事ということだ。
しかし、点灯人は赤いチェックのハンカチで額を拭い、こう言った。
「ひどい仕事さ。しかもどんどんひどくなっている。」