点灯人は朝になると街灯を消して、夜には点す指示を受けていた。しかし、星の自転が年々速くなっていったのに、指示は変わらない。今では、この星は一分で一回回るから、休む暇もなくなった。一分ごとに街灯を点したり消したりしているのだ。
「面白いね。この星は一日が一分なんだ。」
「面白いもんか。俺たちが話し始めて、もう一ヶ月経つんだぞ。」
「一ヶ月?」
「そうだ。30分。つまり、30日だ。」
王子さまは、こんなにも指示に忠実な点灯人が好きになった。そして、旅を続けながら考えた。あの人は、他の大人たちには軽蔑されるかもしれないけど、僕にはただ一人まともに見えた大人だったな。きっと、自分以外の物を世話しているからだろうな。友達になれそうだったけど、あの小さな星に二人は住めないし。
王子さまは認めたがらないが、残念がっている理由は他にあった。あの星は、24時間に、1440回の夕日に恵まれているのだ。