王子さまは高い山に登った。これまで、山といえば、膝の高さの3つの火山しか知らなかった。死火山は、腰掛け代わりに使っていた。
こんなに高い山からなら、この星も人間もすべて一目で見渡せるぞ。
しかし見えたのは、針のように鋭く切り立った岩山の頂ばかりだった。
「こんにちは。貴方は誰?友達になってよ。僕、寂しいんだ。」
王子さまは、それが木霊だと知らなかったので、こう考えた。変な星だな。どこもかしこも乾いていて、尖がっていて、塩辛い。人間には想像力がなくて、言われたことを繰り返すだけ。僕の星には、花が咲いていた。あの花はいつも先に話しかけてきた。
砂と岩と雪の中を長い間歩いてきた王子さまは、ようやく1本の道を見つけた。そして、道は必ず人間がいる場所へと通じている。