そうしないと、僕に恥じ入らせようとして、本当に死んでしまう。
そして、王子さまはこう思った。
この世に1つしかない花を持っていて、豊かだと思っていたけど、僕が持っていたのはただのあり触れた薔薇の花だったんだ。あとは膝までの高さしかない3つの火山。そのうちの1つは永久に火が消えたままかもしれない。これじゃ僕は立派な王子にはなれないよ。
そして王子さまは、草の上に突っ伏して、泣いた。狐が現れたのはその時だった。
「こんにちは。」
「こんにちは。」王子さまは丁寧に答えたが、振り返っても誰もいなかった。
「ここだよ。リンゴの木の下さ。」
「君は誰?とっても可愛いね。」
「僕、狐だよ。」
「一緒に遊ぼう。僕、今とっても悲しいんだ。」
「君とは遊べない。飼い慣らされていないから。」