第三回
お講演
ご講演
「ご講演」といいます。これは文法的なきまりではなく、慣用によるものです。「お」「ご」は尊敬•謙譲•丁寧•美化の各語に使われますが、美化のための不要を使われ方が目立ちます。
一般に、「ご」は音読みの語(漢語)に、「お」は訓読みの語(和語)と外来語に付きます。「ご」は漢字音(呉音)だからです。ただし、音読みの語に「お」の付く例も多いので要注意が必要です。
外来語には、すべて「お」が付き、「ご」が付くことはありません。「お」を付けることの適否は、別問題です。外来語には「お」も、なるべく付けないようにしたほうがよいでしょう。
漢語には「お返事」「ご返事」のように、両方用いられるものがありますが、和語に「ご」の付く例は、「ごもっとも」「ごゆっくり」「ごゆるり」しかありません。
×お講演
○ご講演