第七回
(子どもに向かって、先生に対し)
お話していただく
お話をしていただく
「さあ、今日は○○先生にお話していただきましょう」といった言い方が、幼稚園や小学校低学年向きに使われます。これは、謙譲表現の形を尊敬表現に用いた、基本的な誤りです。「お~して」は「お~する」という謙譲語の変化したもので、先生の行為に付けるのは敬意が逆で、失礼になるのです。
「お~する」の形を、尊敬表現のつもりで用いるのは、現代敬語で最も多い誤用といえます。著者は、これを“お~する症候群”と呼んでいます。
「お話いただきましょう」が正しく、余計な「して」を付けたのがミス。「いただく」の効果がありません。「お話しをしていただく」「話していただく」なら良いでしょう。
×お話ししていただく
○お話しいただく
○お話しをしていただく
○話していただく