前代未聞の快挙
本来はありえない言葉の組み合わせ
「前代未聞」とは、「これまでに聞いたことがない」という意味だ。
「前代未聞の出来事」といえば、「これまでに聞いたことがないような、珍しい出来事」ということになる。それなら、「前代未聞の快挙」といっても良さそうなものだが、これは違和感を感じる人も多そうである。
「前代未聞の快挙」とは、「これまで誰も成し得なかったような快挙」という意味になるが、「前代未聞の珍事」「前代未聞の不祥事」「前代未聞の事件」のように、「前代未聞」の後に続くのは、いいこととは言えないものがくるのが普通。少なくとも「快挙」のようなプラスの言葉は続かないのだ。
事象によっては、「前代未聞」の語釈として、「これまでに聞いたことのないような変わったこと、珍しいこと、あきれたこと、大変なこと」などとしているものもある。やはり「前代未聞の快挙」は、おかしいのだ。