それ食ったら帰れよ!
お前、ここのいそうろうか。
うるさいな、ニャンコのくせに!
ニャンコとは何だ、失敬な!この招き猫は本来の私の姿ではない。本来の私はそれはそれは優実な姿なのだ!
お前が友人帳を持っていることが分かったからな。結界を破れってもらった恩義もある。これからはお前の用心棒をしてやるから、先生とでも呼ぶんだな。
用心棒って、そんなに危険なものなのか。
何だ!何も知らんのか!友人帳にはな、夏目レイコが負かしたアヤカシ者たちの名前が書いてあるのだよ。
名前?
レイコは出会うアヤカシ者たちに次々と勝負を挑んだ。生まれながらにして強力な妖力を持つレイコは全戦全勝、そして負けたものには子分となる証として紙に名を書かせた。それを綴りにしたものが友人帳なのだ。
何だ、その目は!私がレイコごときに負けるものか。
でも封印されてたじゃないか?
いや、あ あれにはな、またいろいろと深い訳があって…いや、そんなことよりもだ。お前が考えているより友人帳の力ははるかに大きい!だからこそ、そこに名を連ねたアヤカシ者たちは必死に夏目レイコを探しているのだ。お前、危ないぞ!