お嬢様、そろそろお休みになるお時間です
寝室にまいりましょう
私(わたくし)がこうして抱き上げると、お嬢様はいつもそのガラス
の瞳でじっと見つめてくださいますね
その視線(しせん)に、私は不安になるのです。
私は歳を取り、醜く(みにくく)なり、いつか朽ち果てる(くちはて
る)でしょう。
ですがお嬢様はずっとこのまま…
歳(とし)をとることもなく、永遠(えいえん)に美しいまま。
お嬢様のために、尽きることのない命が欲しい。
あなたは私だけのお嬢様、誰にも渡したくない。
いっそ私もお嬢様と同じ人形(にんぎょう)になりたい。
あなたにずっと、寄り添って(よりそって)いたいのです。